「ありきたりなドラマには、もう飽きた」
「個性的で独創的なドラマを観て、脳が痺れる衝撃を味わいたい!」
そんな、刺激に飢えたドラマファンにこそ、観てほしい作品があります。
Netflixには、一話完結のアンソロジーや、ジャンルの枠を軽々と飛び越えるような、これまでの常識を覆す「個性的なドラマ」が数多く存在します。
この記事では、そんなNetflixの真骨頂とも言える、挑戦的で、あなたの価値観を揺さぶる傑作オリジナルドラマだけを10作品厳選しました。
一度観たら忘れられない、強烈な視聴体験を約束します。
【アンソロジーの金字塔】まずはこの2作品から
Netflixの独創性を象徴する、言わずと知れた2大アンソロジーシリーズ。
ブラック・ミラー
アイデアの斬新さ | |
後味の悪さ(褒め言葉) | |
社会風刺の鋭さ | |
近未来の解像度 | |
観た後、怖くなる度 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
SNS、VR、AI…。現代のテクノロジーが、もしこのまま行き過ぎた進化を遂げたら?そんな「ありえなくもない未来」を、一話完結のブラックな物語として描く、SFアンソロジー。
イチマルのレビュー
このドラマは、現代社会を映す「黒い鏡」。
私たちの生活に欠かせないテクノロジーが、一歩間違えば、いかに人間性を歪め、恐ろしい結果をもたらすか。その可能性を、皮肉と毒に満ちた物語で描き出します。
毎話、設定も登場人物も全く違うため、どこから観ても楽しめますが、共通しているのは、観終わった後に残る、何とも言えない居心地の悪さと、自分の生活を省みてしまうような感覚です。あるエピソードはサスペンス、あるエピソードはラブストーリー、そしてまたあるエピソードはホラー。その多彩なジャンルと、毎回驚かされる独創的なアイデアは、まさに圧巻。
まだ観たことがないなら、まずシーズン3の『ランク社会』か、『サン・ジュニペロ』から観てみるのがおすすめです。
こんな気分の時におすすめ
- テクノロジーの進化がもたらす、光と闇について考えたい時
- 毎話、全く違う世界観と、予想のつかない物語を楽しみたい時
ラブ、デス&ロボット
映像表現の多様性 | |
クリエイターの狂気 | |
1話の短さ(5分〜20分) | |
アイデアの洪水 | |
大人向け度 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
愛、死、そしてロボット。この3つのテーマを軸に、世界中の才能あるクリエイターたちが、それぞれ全く違うスタイルと物語で競演する、大人向けのアニメーション・アンソロジー。
イチマルのレビュー
これは、アニメという表現の「見本市」であり、「未来」そのものです。
デヴィッド・フィンチャーとティム・ミラーが製作総指揮を務める本作は、1話数分という短い尺の中に、とんでもない熱量とアイデアが凝縮されています。
フォトリアルなCG、昔ながらの手描きアニメ、ストップモーション…。毎話、そのビジュアルスタイルがガラリと変わるため、常に新しい驚きに満たされます。物語も、壮大な宇宙戦争から、AIの反乱、奇妙なコメディ、そして美しい詩のような物語まで、まさに何でもあり。
グロテスクな描写や性的な表現も多いため、観る人を選びますが、このクリエイティブの洪水に身を任せる快感は、他では決して味わえません。
こんな気分の時におすすめ
- 最先端の映像表現や、尖ったアイデアに触れて、脳を刺激したい時
- 短い時間で、サクッと強烈な物語を浴びたい時
【奇妙で美しい】唯一無二の世界観を持つ3作品
監督やクリエイターの強烈な個性が爆発。一度ハマったら抜け出せない、カルト的な魅力を持つドラマたち。
ロシアン・ドール: 謎のタイムループ
会話のセンス | |
タイムループの斬新な使い方 | |
主人公のキャラクター | |
人生の肯定感 | |
「Gotta Get Up」が頭から離れない度 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
自分の36歳の誕生日パーティーの夜、死んでしまうが、気づくとまた同じパーティーの夜に戻っている。そんな無限のタイムループに囚われてしまった、皮肉屋で自堕落な女性ナディア。彼女は、ループから抜け出すため、自分の死の謎を追い始める。
イチマルのレビュー
タイムループものは数あれど、これほどまでに哲学的で、心を揺さぶる作品は稀です。
主人公ナディアの、マシンガンのように繰り出される、ウィットと皮肉に富んだセリフが、まず最高にクール。何度も死を繰り返すという悲惨な状況を、ブラックな笑いで乗り越えていく彼女の姿に、いつの間にか惹きつけられます。
このドラマが傑作なのは、単なる謎解きで終わらない点。タイムループという設定を通して、過去のトラウマや、他者との関わり方といった、主人公自身の内面の問題を深く掘り下げていくのです。死を繰り返すことで、初めて「生きる」ことの本当の意味を見つけ出す。
その物語は、温かい感動と、自分の人生を肯定する勇気を与えてくれます。
こんな気分の時におすすめ
- ウィットに富んだ、スマートな会話劇が好きな時
- タイムループという設定を通して、深い人間ドラマを味わいたい時
マニアック
映像のレトロフューチャー感 | |
夢と現実の交錯 | |
主演二人の演技力 | |
奇妙なユーモア | |
心の繋がりを描く度 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
心に傷を抱える男女、アニーとオーウェン。彼らは、あらゆる問題を解決するという新薬の臨床試験に参加する。しかし、感情を読み取るスーパーコンピューターの不調により、二人の意識は、様々なジャンルの奇妙な「夢の世界」で繋がり、共に冒険を繰り広げることになる。
イチマルのレビュー
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のキャリー・フクナガ監督と、エマ・ストーン、ジョナ・ヒルという、映画好きにはたまらない座組。
80年代の日本を彷彿とさせる、どこか懐かしくて、奇妙な未来の世界観が、まず魅力的です。
物語は、被験者たちの夢の中を旅するように進んでいきます。ある時は80年代の夫婦、ある時はエルフ、またある時はマフィア…。そのジャンルを横断するカオスな展開の中で、現実世界ではうまく繋がれなかった二人が、夢の中でお互いを唯一の「理解者」として見つけていく。その過程が、とても奇妙で、切なくて、そして美しい。
これは、心の傷を抱えた二つの魂が、互いを癒し合う、風変わりなラブストーリーなのかも知れません。
こんな気分の時におすすめ
- レトロで、少し奇妙な世界観のSF作品が好きな時
- 夢と現実が入り混じる、不思議な物語に没入したい時
ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋
クリーチャーデザイン | |
美術・セットの豪華さ | |
古典ホラーへの愛 | |
監督たちの個性 | |
デル・トロ監督の案内人っぷり |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
アカデミー賞監督ギレルモ・デル・トロが、自ら選び抜いた気鋭の監督たちと共に、8つの奇妙で恐ろしい物語を紡ぎ出す、ゴシックホラー・アンソロジー。
イチマルのレビュー
これは、ギレルモ・デル・トロから、全てのホラーファンへの「贈り物」です。
毎話、デル・トロ自身が案内人として登場し、これから始まる物語と、その監督を紹介する。その演出だけで、もうワクワクが止まりません。
収録されている物語は、クトゥルフ神話をベースにしたコズミックホラーから、美しい幽霊屋敷の物語、グロテスクなボディホラーまで、実に多彩。しかし、その全てに共通しているのは、デル・トロ作品ならではの、どこか物悲しく、美しいクリーチャーデザインと、細部までこだわり抜かれた美術セットの素晴らしさです。
現代のCG技術と、古き良きゴシックホラーの精神が融合した、豪華で、見応えのある一作です。
こんな気分の時におすすめ
- ギレルモ・デル・トロ監督の、美しくも不気味な世界観が好きな時
- 様々なタイプの、質の高い怪奇物語を楽しみたい時
【社会を映す鏡】風刺とユーモアの2作品
笑いの中に毒を忍ばせ、現代社会の矛盾や、人間の愚かさを鋭く描き出す。
BEEF/ビーフ
人間の本性を描く度 | |
予測不能な展開 | |
笑いと恐怖のバランス | |
現代社会の解像度 | |
観終えた後の奇妙な余韻 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
うまくいかない人生に苛立つ工事業者のダニーと、華やかな生活の裏で空虚さを抱える起業家のエイミー。ある日の些細な「あおり運転」をきっかけに、見ず知らずだった二人の間で、常軌を逸した復讐合戦が勃発する。
イチマルのレビュー
これは、現代社会に生きる私たちのための「寓話」です。
ゴールデングローブ賞やエミー賞を総なめにした本作は、ただの復讐コメディではありません。些細な怒りが、SNSや格差社会といった現代的な要素と絡み合い、取り返しのつかない破滅へと転がり落ちていく。その様は、恐ろしくも、どこか滑稽で、そして驚くほど私たちの日常と地続きです。
誰もが心の内に抱える、名もなき「怒り」や「不満」。それを、ここまでリアルに、そしてエンターテイメントとして見事に描き切った手腕には脱帽するしかありません。主演二人の鬼気迫る演技は圧巻。
笑いながら観ているうちに、いつの間にか自分自身の心の中を覗き込まれているような、忘れられない鑑賞体験を約束します。
こんな気分の時におすすめ
- 人間のどうしようもない部分を描いた、ブラックなコメディが好きな時
- 予測不能なジェットコースターのような物語に身を任せたい時
ザ・ポリティシャン
皮肉と毒の効き具合 | |
キャラクターの濃さ | |
テンポの良さと豪華さ | |
ミュージカルシーンの唐突さ | |
ライアン・マーフィー節 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
幼い頃から「将来、アメリカ大統領になる」という野望を抱く、裕福な高校生ペイトン・ホバート。彼は、その輝かしいキャリアの第一歩として、まずは生徒会長の座を狙うが、その選挙戦は、スキャンダル、裏切り、そして暗殺計画まで飛び出す、泥沼の戦いへと発展していく。
イチマルのレビュー
『glee/グリー』や『アメリカン・ホラー・ストーリー』の生みの親、ライアン・マーフィーが描く、極彩色の政治コメディ。
彼の作品らしく、ポップで、過激で、そして皮肉たっぷりです。高校の生徒会選挙を、まるで本物の大統領選のように、大真面目に、そして過剰に描く。そのバカバカしさが、逆に現代の政治や、若者たちの承認欲求に対する、痛烈な風刺になっています。
主人公ペイトンを始め、登場人物は誰もが野心家で、自己中心的。しかし、なぜか憎めない魅力があります。豪華な衣装やセット、そして突然始まるミュージカルシーンなど、視覚的にも非常に楽しい一作。
現代社会を笑い飛ばしたい気分の時に、ぴったりの作品です。
こんな気分の時におすすめ
- 毒と皮肉が効いた、スタイリッシュなコメディが観たい時
- 政治や社会問題への、ユニークな切り口の風刺劇を楽しみたい時
【静かなる傑作】心に深く沁み入る3作品
派手さはないけれど、観終わった後、きっとあなたの心に静かな余韻を残してくれる。
オクトーバー・ファクション
家族の秘密度 | |
モンスターのデザイン | |
ゴシックな雰囲気 | |
B級ホラー感 | |
打ち切りが惜しまれる度 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
表向きは普通の家族。しかし、その正体は、世界中を旅してモンスターを狩る、秘密組織の一員であるフレッドとドロレス。故郷の町に戻った彼らだったが、双子の高校生の子供たちにも、自分たちが隠してきた秘密がバレてしまい、家族は大きな危機に直面する。
イチマルのレビュー
『スーパーナチュラル』と『アンブレラ・アカデミー』を足して、少しダークにしたような、そんな魅力を持つ作品です。
モンスターハントというアクション要素と、秘密を抱えた家族の崩壊と再生という、ヒューマンドラマの要素が、絶妙なバランスで融合しています。
決して大作ではありませんが、どこか懐かしいB級ホラー映画のような、独特の雰囲気がたまりません。人間とモンスター、どちらが本当の「怪物」なのか?という、ジャンルの古典的なテーマを、現代的な家族の物語として描き直そうという意欲が感じられます。
残念ながらシーズン1で打ち切りとなってしまいましたが、その不完全さも含めて、カルト的な人気を誇る一作です。
こんな気分の時におすすめ
- 秘密を抱えた家族が、超常的な事件に巻き込まれていく物語が好きな時
- 少し懐かしい雰囲気の、ダークファンタジーやモンスターものが観たい時
The OA
ミステリアスな雰囲気 | |
物語の独創性 | |
信じることの力 | |
賛否両論度 | |
打ち切りが世界中で悲しまれた度 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
7年前に失踪し、突然帰ってきた女性プレーリー。失踪前は盲目だった彼女の目は、なぜか完全に治っていた。彼女は自らを「OA」と名乗り、失踪中の不可解な体験を、町の問題を抱える5人の若者たちに語り始める。
イチマルのレビュー
これは、信じる心を試される、あまりにも美しく、そして奇妙な物語です。
主人公OAが語る物語は、臨死体験、異次元、天使の実在…と、にわかには信じがたいものばかり。彼女は、本当に特別な体験をしたのか、それともただの妄想なのか?その答えは、最後まで明確には示されません。
このドラマの核心は、「信じる」という行為そのものにあります。孤独を抱えた若者たちが、彼女の物語を信じ、集うことで、現実の世界で小さな奇跡を起こしていく。その過程が、静かに、そして力強く描かれます。
残念ながら物語は未完のまま打ち切りとなりましたが、その謎に満ちた結末は、今も世界中のファンの間で語り継がれています。あなたの心に、忘れられない爪痕を残すはずです。
こんな気分の時におすすめ
- 謎が多く、考察しがいのある、ミステリアスな物語に浸りたい時
- 理屈ではなく、感覚で楽しむ、スピリチュアルな物語に触れてみたい時
メリー・アン・シングルトンの物語
多様性と愛の肯定 | |
温かいコミュニティ感 | |
サンフランシスコの空気感 | |
キャストの豪華さ | |
観た後、優しい気持ちになれる度 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
中年になり、人生の危機を迎えたメアリー・アンが、20年ぶりにサンフランシスコのバーバリー・レーン28番地へと帰ってくる。そこは、風変わりで、愛すべき仲間たちが暮らす共同住宅。彼女は、かつての仲間たちとの再会を通して、本当の「家族」の意味を見つめ直していく。
イチマルのレビュー
これは、血の繋がりだけが家族じゃないと教えてくれる、温かくて、最高に現代的な物語です。
90年代に人気を博したドラマシリーズの続編でありながら、本作から観ても全く問題なく楽しめます。
年齢も、セクシュアリティも、人種も様々な住人たちが、互いの違いを受け入れ、支え合って暮らすバーバリー・レーン。そのコミュニティの姿は、現代社会が目指すべき、一つの理想郷のように見えます。もちろん、そこには嫉妬や対立、過去の過ちといった、リアルな問題も存在します。
しかし、それらを乗り越えて、彼らが示す「選ばれた家族」の絆は、観る者の心を温かい気持ちで満たしてくれます。ローラ・リニーやエリオット・ペイジといった、素晴らしい俳優たちの演技も必見です。
こんな気分の時におすすめ
- 多様な愛の形を、優しく肯定してくれる物語に触れたい時
- 観終わった後、心が温かくなるような、優しいヒューマンドラマが観たい時
まとめ
今回は、『ブラック・ミラー』や『ラブ、デス&ロボット』をはじめ、独創的で刺激的なNetflixオリジナルドラマを10作品、ご紹介しました。
- 【アンソロジーの金字塔】まずはこの2作品から
- 【奇妙で美しい】唯一無二の世界観を持つ3作品
- 【社会を映す鏡】風刺とユーモアの2作品
- 【静かなる傑作】心に深く沁み入る3作品
気になる作品は見つかりましたか? 最高の物語は、あなたの日常を忘れさせ、新しい価値観を与えてくれるはずです。
さあ、今夜は未知の世界へ旅立ちましょう!
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