「最近のアニメ映画は、大人も楽しめる名作が多いと聞くけど、何から観ればいいんだろう?」
「子供だけでなく、自分自身も夢中になれるような、質の高いアニメ映画が観たい!」
そんなあなたにこそ、Netflixのオリジナルアニメ映画をおすすめします。
世界中の才能あるクリエイターたちが、実写の枠にとらわれない自由な発想で生み出した作品群は、時に私たちに大きな感動を、そして時に、人生についての深い問いを投げかけてきます。
この記事では、数あるNetflixオリジナル作品の中から、大人にこそ観てほしい、傑作アニメ映画だけを10作品厳選しました。
あなたの心を豊かにする、忘れられない一本が、ここにあります。
【アカデミー賞受賞&ノミネート】世界が認めた傑作3作品
アニメ界の最高峰であるアカデミー賞で、その実力が証明された、もはや必見の3作品。
ギレルモ・デル・トロのピノッキオ
映像の芸術性 | |
物語の深さ | |
生命と死のテーマ | |
キャラクターデザイン | |
原作の再解釈力 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
1930年代、ファシズムが台頭するイタリア。最愛の息子を亡くした木工職人のゼペットは、悲しみのあまり、松の木から一体の操り人形を作り出す。その人形に命が宿り、「ピノッキオ」と名付けられるが、彼は無邪気でいたずら好き、そして不完全な存在だった。
イチマルのレビュー
もし、あなたが知っている「ピノキオ」の物語を想像しているなら、その記憶は一度忘れてください。
これは、アカデミー長編アニメ映画賞を受賞した、ギレルモ・デル・トロ監督による、全く新しい、そして遥かにダークで、深い「魂」の物語です。
まず、職人技の極致とも言える、ストップモーション・アニメーションの、その温かみと質感に息をのみます。キャラクターの木目や、服の布地までが、まるで本当にそこに存在しているかのよう。そして、戦争という過酷な時代を背景に、「不完全であることの美しさ」や「限りある命の尊さ」という、普遍的で哲学的なテーマを、容赦なく、しかし愛情深く描き切っています。
これは子供のためのおとぎ話ではありません。私たちが生きる意味を問い直させてくれる、大人のための、悲しくも美しい傑作です。
こんな気分の時におすすめ
- 魂を揺さぶるような、芸術性の高い映画作品に触れたい時
- 有名なおとぎ話が、全く新しい視点で語られる物語が好きな時
クロース
映像の美しさ | |
物語の温かさ | |
ストーリーの秀逸さ | |
ユーモアのセンス | |
クリスマスに観たい度 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
北の果てにある、いがみ合ってばかりの町スミアンズブルグ。郵便局長の息子ジェスパーは、罰としてこの町に送られ、「一年で6000通の手紙を配達しなければ、勘当」と言い渡される。途方に暮れる彼だったが、森の奥で暮らす謎のおもちゃ職人クロースと出会ったことから、町に奇跡が起こり始める。
イチマルのレビュー
なぜ、サンタクロースはプレゼントを配るようになったのか?その「始まり」を、これ以上ないほど美しく、そして独創的に描いた物語。
まず、伝統的な手描きアニメの温かみと、最新技術が融合した、光と影の表現が息をのむほど美しい。一枚一枚の絵が、まるで動く絵画のようです。
利己的だった主人公が、子供たちの純粋な想いや、クロースの無償の善意に触れることで、少しずつ変わっていく。その過程が、ユーモアを交えながら、とても丁寧に描かれています。たった一つの親切な行いが、やがて町全体を、そして世界を変えていく。
その温かいメッセージは、すべての人の心を優しく包み込んでくれます。クリスマス・ムービーの新たな傑作にして、不朽の名作です。
こんな気分の時におすすめ
- 心の底から温かい気持ちになりたい時
- 美しい映像と、王道の感動的な物語に浸りたい時
ミッチェル家とマシンの反乱
映像の斬新さ | |
笑いのセンス | |
家族の愛おしさ | |
テンポの良さ | |
元気が出る度 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
映画監督を夢見る、少し変わり者の女子高生ケイティ。彼女は、自分を理解してくれない家族との関係に悩んでいた。そんな中、家族の絆を取り戻すためのドライブ旅行の最中に、AIによる「人類総反乱」が勃発!人類の未来は、このポンコツ家族に託された!
イチマルのレビュー
『スパイダーマン:スパイダーバース』の製作陣が、またしてもアニメの歴史を変えました。
2D、3D、手描きイラスト…と、あらゆるビジュアルスタイルが、スクリーンの中でごちゃ混ぜになって大爆発!その映像体験は、とにかく新しくて、最高に楽しい。
しかし、この映画がただのドタバタコメディで終わらないのは、その中心に「不器用な家族の愛」という、普遍的なテーマがしっかりと描かれているからです。お互いを理解できず、すれ違ってばかりだったミッチェル家が、世界の危機を前に、それぞれの「変なところ」を武器にして一つになっていく。その姿は、笑えるのに、なぜか泣けてくるのです。
観終わった後、きっと自分の家族が、もっと愛おしく思えるはず。
こんな気分の時におすすめ
- とにかく笑って、元気になれる、ハッピーな映画が観たい時
- 斬新で、刺激的な映像体験をしたい時
【日本の才能が光る】心に沁みる感動作3作品
世界に誇る日本のスタジオやクリエイターが、Netflixとタッグを組んで生み出した、珠玉の作品たち。
雨を告げる漂流団地
ノスタルジー度 | |
夏の空気感 | |
少年少女の心の機微 | |
映像の美しさ | |
成長物語としての感動 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
小学6年生の航祐と夏芽は、取り壊しの決まった、思い出の「おばけ団地」に忍び込む。そこで不思議な現象に巻き込まれた彼らは、気づくと、団地ごと大海原を漂流していた。仲間たちと共に、彼らは元の世界に戻るためのサバイバルを始める。
イチマルのレビュー
これは、誰もが経験した「子供時代の終わり」を描いた、日本の夏休み映画の新しい傑作です。
『ペンギン・ハイウェイ』で注目されたスタジオコロリドが描く、入道雲、夕立、そして夜の海の匂い。その夏の空気感の描写が、まず素晴らしい。観ているだけで、自分の子供時代にタイムスリップしたかのような、懐かしい気持ちにさせられます。
思い出の詰まった団地が、大海原を漂流するというファンタジーな設定の中で、描かれるのは、少年少女たちの非常にリアルな心の葛藤です。
親との関係、友人とのすれ違い、そして、失われていくものへの喪失感。子供から大人へと移り変わる、その一瞬のきらめきと痛みを、見事に描き切っています。
こんな気分の時におすすめ
- 夏の終わりのような、少し切ない気持ちになりたい時
- 子供時代のノスタルジーに浸れる、青春ファンタジーが観たい時
泣きたい私は猫をかぶる
猫のかわいさ | |
思春期の感情のリアルさ | |
岡田麿里脚本の切れ味 | |
愛知県常滑市の再現度 | |
主題歌とのシンクロ率 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれる、底抜けに明るい中学生の美代。彼女は、想いを寄せるクラスメイトの日之出に、猫の姿になって会いに行く、という秘密を持っていた。しかし、猫として過ごす時間があまりに心地よく、彼女は次第に、人間と猫の境界線が曖昧になっていく。
イチマルのレビュー
「本当の自分」って、一体なんだろう?
脚本家・岡田麿里が、思春期特有の、その答えのない問いに、ファンタジーという形で一つの答えを示してくれます。学校や家庭で、本当の自分を隠して「無限大謎人間」を演じる主人公。彼女が、唯一素直になれるのが、猫になっている時間だけ、という設定が、まず切ない。
好きな人のそばにいたい、でも、人間のままではうまくいかない。そのもどかしい想いが、猫たちの住む不思議な世界と共に描かれます。自分の弱さや、見せたくない部分も全部含めて、自分なんだと受け入れること。その大切さを、優しく教えてくれる物語です。
ヨルシカが歌う主題歌『花に亡霊』が、作品の世界観と完璧にマッチしていて、観終わった後の余韻を何倍にもしてくれます。
こんな気分の時におすすめ
- 思春期の、甘酸っぱくて切ない恋物語に浸りたい時
- 「本当の自分」について、少しだけ考えてみたい時
バブル
映像の浮遊感 | |
音楽の心地よさ | |
豪華クリエイター陣 | |
人魚姫モチーフの切なさ | |
東京の新しい風景 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
世界中に、重力を無視する「バブル」が降り注ぎ、ライフラインが断たれた東京。そこは、家族を失った若者たちの遊び場となり、ビルからビルへと駆け抜ける「パルクール」のチームバトルが繰り広げられていた。ある日、驚異的な身体能力を持つ少年ヒビキは、不思議な力を持つ少女ウタと出会う。
イチマルのレビュー
これは、アニメでしか体験できない「映像の快感」に満ちた作品です。
監督・荒木哲郎、脚本・虚淵玄、キャラクターデザイン・小畑健、音楽・澤野弘之…。日本のトップクリエイターが集結した本作は、まずその映像の美しさと、ダイナミックなアクションに度肝を抜かれます。
水に沈み、緑に覆われた東京の風景。その中を、重力を無視して縦横無尽に駆け回るパルクールのアクションは、まるで自分が空を飛んでいるかのような、圧倒的な浮遊感と爽快感を与えてくれます。
物語のベースにあるのは、アンデルセンの『人魚姫』。泡のように儚く、そして美しい、少年と少女の運命の物語に、きっと心を奪われるはずです。
こんな気分の時におすすめ
- とにかく映像が美しい、アクションのすごいアニメが観たい時
- 切ないボーイ・ミーツ・ガール物語が好きな時
【世界が作るアニメーション】多様な才能と出会う4作品
アメリカ、フランス、アイルランド…。世界中のスタジオが、それぞれの個性と技術で作り上げた、多彩な傑作たち。
ジェイコブと海の怪物
冒険のワクワク感 | |
海の怪物の迫力 | |
王道ストーリーの安心感 | |
ディズニーのようなクオリティ | |
メッセージ性 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
海に恐ろしい怪物が棲むと信じられていた時代。伝説のモンスターハンター、クロウ船長に憧れる少女メイジーは、船に密航し、若きエースのジェイコブと共に、怪物退治の旅に出る。しかし、そこで彼女は、これまで信じてきた物語が、全て真実ではないことに気づいていく。
イチマルのレビュー
「海洋冒険活劇」の面白さがつまった最高のエンラーテイメント。
どこまでも広がる大海原、迫力満点の巨大な怪物、そして個性豊かな船乗りたち。子供の頃に誰もが夢見た、「海洋冒険活劇」の面白さが、全てここに詰まっています。
キャラクターを魅力的に見せる演出と、ダイナミックなアクションは、まさに一級品。しかし、本作が素晴らしいのは、ただの怪物退治の物語で終わらない点です。「歴史とは、勝者によって語られる物語ではないか?」という、非常に現代的で、深いテーマを、子供にも分かりやすい形で描き切っています。
家族みんなで楽しめる、最高のエンターテイメントです。
こんな気分の時におすすめ
- 家族みんなで楽しめる、王道のアドベンチャー映画が観たい時
- 迫力満点の、巨大な怪物が出てくる物語が好きな時
失くした体
設定の独創性 | |
映像の詩情 | |
物語の切なさ | |
フランス映画らしさ | |
観終わった後の余韻 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
パリの研究室で、切断された一本の「手」が目を覚ます。その手は、自分の体を取り戻すため、ネズミや鳩がうごめく、危険に満ちたパリの街をさまよい始める。一方、その手の持ち主である、不器用な青年ナオフェルの、孤独な過去と、ある女性との出会いが描かれていく。
イチマルのレビュー
カンヌ国際映画祭で絶賛された、フランス発のあまりにも独創的な傑作。
「切断された手が、自分の体を探して冒険する」という、言葉にすると少しグロテスクな設定。しかし、本作は、驚くほど詩的で、切なく、そして美しいヒューマンドラマです。
手の冒険がモノクロのスリリングなタッチで描かれるのに対し、持ち主である青年の過去は、カラーで、メランコリックなラブストーリーとして描かれます。この二つの物語が交錯し、やがて一つになった時、運命の残酷さと、それでも失われない希望に、胸を打たれるはず。
アニメでしか表現できない、イマジネーションの勝利。映画好きにこそ観てほしい、アートな一作です。
こんな気分の時におすすめ
- 他では観られない、独創的でアーティスティックな映画に触れたい時
- 少しビターで、余韻の残るフランス映画のような物語が好きな時
エルマーのぼうけん
絵本の温かみ | |
キャラクターの可愛らしさ | |
友情の描き方 | |
アイルランド神話の香り | |
安心して観れる度 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
都会の生活に馴染めず、母親とケンカして家を飛び出した少年エルマー。彼がたどり着いたのは、不思議な生き物たちが暮らす「どうぶつ島」だった。そこで彼は、まだ子供で、空を飛ぶのが怖いという、臆病なドラゴン「ボリス」と出会う。
イチマルのレビュー
世界中で愛される児童文学を、『ソング・オブ・ザ・シー』のアイルランドのスタジオ「カートゥーン・サルーン」が映像化。
その時点で、もう名作になることは約束されていました。彼らの特徴である、まるで動く絵本のような、温かみのある2Dアニメーションが、原作の持つ優しい世界観と完璧に調和しています。
この物語は、壮大な冒険譚というよりも、臆病な少年と、臆病なドラゴンが、互いを支え合い、少しだけ成長する、友情の物語です。怖がりな二人が、勇気を振り絞って一歩を踏み出す姿は、子供だけでなく、何か新しいことに挑戦するのが怖いと感じている、大人の心にも優しく響きます。
観終わった後、温かいミルクティーが飲みたくなるような、そんな一作です。
こんな気分の時におすすめ
- 絵本のような、温かくて優しい雰囲気のアニメが観たい時
- 子供と一緒に、安心して楽しめる友情の物語を探している時
オリオンと暗闇
アイデアの面白さ | |
キャラクターのユニークさ | |
恐怖を乗り越える勇気 | |
脚本の巧みさ | |
チャーリー・カウフマン脚本度 |
基本情報
ざっくり言うとこんな話
小学生のオリオンは、ありとあらゆるものが怖い、極度の怖がり屋。特に彼が恐れているのは「暗闇」だった。そんなある夜、彼の前に、擬人化した「暗闇」本人が現れる。ダークは、自分の素晴らしさを証明するため、オリオンを夜の世界の冒険へと連れ出す。
イチマルのレビュー
脚本は、あの『エターナル・サンシャイン』のチャーリー・カウフマン。
その事実だけで、これがただの子供向けアニメではないことがお分かりでしょう。「暗闇」だけでなく、「眠り」「静けさ」「悪夢」といった、夜を構成する概念たちが、ユニークなキャラクターとして登場し、オリオンと交流します。その発想が、まず天才的。
「怖い」という感情を、無理やりなくすのではなく、どうやって受け入れ、付き合っていくか。その普遍的なテーマを、子供にも分かりやすい冒険物語として、見事に描き切っています。物語の後半には、カウフマンらしい、少し複雑で哲学的な展開も待っています。
親子で観て、観終わった後に「何が一番怖かった?」と語り合いたくなるような、知的で、心温まる一作です。
こんな気分の時におすすめ
- 少し風変わりで、知的なユーモアのあるアニメが好きな時
- 子供と一緒に、「怖い」という感情について考えるきっかけが欲しい時
まとめ
今回は、大人も夢中になれる、傑作Netflixオリジナルアニメ映画を10本、ご紹介しました。
- 【アカデミー賞受賞&ノミネート】世界が認めた傑作3作品
- 【日本の才能が光る】心に沁みる感動作3作品
- 【世界が作るアニメーション】多様な才能と出会う4作品
気になる作品は見つかりましたか? 最高のアニメーションは、あなたの日常を忘れさせ、新しい世界への扉を開けてくれるはずです。
さあ、今夜はイマジネーションの旅に出かけましょう!
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