Netflixの映画ライブラリは、広大な海のようなもの。誰もが知る有名な島だけでなく、その奥には、まだ見ぬ美しい宝石のような島々が隠されています。
今回は、これまでのリストではあえて触れてこなかった、批評家から絶賛されながらも見過ごされがちな傑作や、Netflixの多様性を象徴するユニークな作品ばかりを10本厳選しました。
あなたのお気に入りリストに、新たな輝きを加える一本が、きっとこの中に見つかるはずです。
Netflixオリジナル映画10本を厳選!
ビースト・オブ・ノー・ネーション
西アフリカの内戦に巻き込まれ、家族を失った少年アグー。彼は、イドリス・エルバ演じるカリスマ的な司令官が率いる少年兵部隊に拾われ、生きるために銃を取ることを余儀なくされる。
純粋な少年が、戦争という地獄の中で徐々に人間性を失っていく様を克明に描く。
- Netflixオリジナル映画の歴史の始まりを告げた、記念碑的でパワフルな一作。
- イドリス・エルバと、新人エイブラハム・アッターによる、魂がぶつかり合う圧巻の演技。
- 戦争の現実を、一切の感傷を排して観る者の胸に刻みつける、キャリー・フクナガ監督の卓越した演出。
ジャンル | 戦争 アドベンチャー ヒューマンドラマ |
監督 | キャリー・ジョージ・フクナガ |
原作 | ウゾディンマ・イウェアラ 「ビースト・オブ・ノー・ネーション」 |
出演 | イドリス・エルバ カート・エジアワン エイブラハム・アター アマ・K・アベブルゼ コビナ・アミッサ=サム |
配信 | 2015年 |
上映時間 | 137分 |
日本語吹き替え | あり |
本作は、Netflixがオリジナル映画製作に本格的に乗り出し、世界にその覚悟を示した記念碑的作品です。「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のキャリー・フクナガ監督が、内戦の現実を、観る者の安易な同情や感傷を許さない、圧倒的なリアリズムで描き出しています。
特筆すべきは、主人公アグーを演じた新人エイブラハム・アッターの、魂を揺さぶるような演技です。彼の瞳を通して、私たちは戦争の恐怖、仲間との束の間の喜び、そして避けられない道徳的な崩壊を、痛々しいほど間近で体験させられます。
一方、イドリス・エルバが演じる司令官は、少年たちにとって父親のような存在でありながら、彼らを搾取し、洗脳する恐ろしい怪物でもあります。このカリスマと狂気が同居した複雑なキャラクター像が、物語に強烈な深みを与えています。
これは、ただ悲惨なだけの戦争映画ではありません。少年兵という過酷な現実を通して、人間の尊厳とは何か、そして失われた子供時代とは何かを、観る者に容赦なく問いかける、力強くも美しい、必見の一作です。

マイヤーウィッツ家の人々 (改訂版)
かつては著名だったが、今や忘れ去られつつある芸術家の父ハロルド。
彼に振り回されながらも、それぞれが問題を抱えて生きる異母兄弟のダニーとマシューを中心に、バラバラになった家族の再生を、ユーモアとペーソスを交えて描く。
- アダム・サンドラーのキャリア最高とも言われる、シリアスで深みのある演技。
- ノア・バームバック監督ならではの、ウィットとペーソスに満ちた会話劇と、リアルな家族の肖像。
- 才能ある親に振り回される子供たちの愛憎を、豪華キャストの競演で描く、大人のためのコメディドラマ。
ジャンル | ヒューマンドラマ コメディ |
監督 | キャリー・ジョージ・フノア・バームバック |
脚本 | ノア・バームバック |
出演 | アダム・サンドラー ベン・スティラー ダスティン・ホフマン エマ・トンプソン エリザベス・マーヴェル |
配信 | 2017年 |
上映時間 | 110分 |
日本語吹き替え | あり |
ノア・バームバック監督が、本作で描き出すのは、才能ある(あるいは、あったと信じている)親を持つ子供たちの、滑稽で、そして切ない愛憎劇です。
ダスティン・ホフマン演じる父親ハロルドは、芸術家としてのプライドは高いものの、自己中心的で、息子たちに複雑なコンプレックスを植え付けてきました。その影響下で、全く異なる人生を歩んできた異母兄弟を、アダム・サンドラーとベン・スティラーが絶妙なアンサンブルで演じます。
特に注目すべきは、アダム・サンドラーの演技です。コメディ俳優のイメージが強い彼が、本作では、足を引きずり、父親からの愛に飢え、感情のコントロールが苦手な長男ダニーの悲哀を見事に体現し、批評家から絶賛されました。
バームバック監督特有の、早口で知的、そしてどこか神経質な会話劇は健在。笑いの中に、家族という最も身近で厄介な人間関係の真実が、鋭く、しかし温かい眼差しで描き出されています。

プライベート・ライフ
ニューヨークで暮らす、40代の作家夫婦リチャードとレイチェル。
長年、不妊治療に苦しんできた彼らは、最後の望みをかけて、姪のセイディーを卵子ドナーとして迎え入れる。一つの決断が、夫婦、そして若者の人生を静かにかき乱していく。
- 不妊治療というデリケートなテーマを、正直かつダークなユーモアで描いた、賢明な脚本。
- ポール・ジアマッティとキャスリン・ハーンによる、長年連れ添った夫婦のリアルな空気感を体現した名演。
- 大人が直面する人生の局面を、鋭い観察眼と温かい視点で描いた、心に響くインディペンデント映画の傑作。
ジャンル | ヒューマンドラマ コメディ |
監督 | タマラ・ジェンキンス |
脚本 | タマラ・ジェンキンス |
出演 | キャスリン・ハーン ポール・ジアマッティ ケイリー・カーター モリー・シャノン デニス・オヘア |
配信 | 2018年 |
上映時間 | 123分 |
日本語吹き替え | あり |
不妊治療という、極めてデリケートで個人的なテーマを、これほどまでに正直で、知的で、そしてダークなユーモアを交えて描いた作品は稀有でしょう。タマラ・ジェンキンス監督は、希望と絶望の間で揺れ動き、ホルモン治療で心身ともに疲弊していく夫婦の姿を、一切の美化なく、しかし愛情のこもった眼差しで捉えます。
ポール・ジアマッティとキャスリン・ハーンの演技は、まさに完璧。長年連れ添った夫婦ならではの阿吽の呼吸と、治療のストレスからくる痛々しい口論の両方を、驚くべきリアリティで体現しています。
本作が素晴らしいのは、夫婦だけの物語に終わらせず、彼らの人生に巻き込まれていく若き姪セイディーの視点をも丁寧に描いている点です。彼女の存在が、膠着した夫婦の関係に新たな風を吹き込むと同時に、世代間の価値観の違いや、若さゆえの危うさをも浮き彫りにします。
子供を持つこと、家族を築くこと、そして中年期の愛の形について、深く考えさせられる、賢明で心に響く一作です。

バスターのバラード
陽気で口達者な歌うガンマン、不運な銀行強盗、旅の途中で恋に落ちる女性、金鉱を掘る老人…。
アメリカ西部開拓時代を舞台に、全く異なる6つの物語をオムニバス形式で描く、コーエン兄弟による一風変わった西部劇。
- 西部劇というジャンルの多様な側面を、6つの独立した物語で描き出す、独創的なオムニバス形式。
- コーエン兄弟ならではの、皮肉とブラックユーモア、そして人生の不条理を描いた脚本。
- 豪華なキャストが集結し、それぞれのエピソードで全く異なる顔を見せる、贅沢なアンサンブル。
ジャンル | 西部劇 ヒューマンドラマ コメディ |
監督 | コーエン兄弟 |
脚本 | コーエン兄弟 |
出演 | ジェームズ・フランコ ブレンダン・グリーソン ゾーイ・カザン リーアム・ニーソン ティム・ブレイク・ネルソン |
配信 | 2018年 |
上映時間 | 133分 |
日本語吹き替え | あり |
この作品は、一本の映画というより、アメリカ西部の神話と現実を巡る、多彩で豪華な短編集を読んでいるかのような体験ができます。
コーエン兄弟は、西部劇というジャンルが持つ様々な側面――陽気な活劇、不条理な悲劇、孤独な魂の物語、そして死の寓話――を、6つの独立したエピソードに凝縮。各話は、作風もトーンも全く異なります。
冒頭の、ミュージカルのように陽気で、しかし暴力的なバスター・スクラッグスの物語に笑ったかと思えば、手足のない青年を見世物にする興行師の物語では、その冷徹さに言葉を失います。
この多様な物語群に共通しているのは、人生の予測不可能性と、容赦なく訪れる死の存在です。コーエン兄弟ならではの、皮肉とブラックユーモアに満ちた視点で、西部開拓時代の神話の裏に隠された、人間の欲望、愚かさ、そしてほんのわずかな希望の光が描き出されます。
一つ一つの物語が、観終わった後に深い余韻を残す、極めて独創的で贅沢な一作です。

ルディ・レイ・ムーア
1970年代のロサンゼルス。売れないコメディアンのルディ・レイ・ムーアは、路上に転がる下品なジョークを基に、派手な衣装と自信満々な語り口が特徴のキャラクター「ドールマイト」を生み出し、カルト的な人気を博す。
彼はその勢いで、仲間たちと共に自費で映画製作に乗り出す。
- エディ・マーフィの完全復活を告げる、エネルギッシュで愛情に満ちた圧巻のパフォーマンス。
- 夢を追いかけることの素晴らしさと、DIY精神に満ちた映画作りへの、楽しくて心温まる賛歌。
- 70年代のブラック・カルチャーの熱気を、カラフルな衣装とファンキーな音楽で再現した、ゴキゲンな世界観。
ジャンル | コメディ 伝記 |
監督 | クレイグ・ブリュワー |
脚本 | スコット・アレクサンダー ラリー・カラゼウスキー |
出演 | エディ・マーフィ キーガン=マイケル・キー マイク・エップス クレイグ・ロビンソン タイタス・バージェス |
配信 | 2019年 |
上映時間 | 118分 |
日本語吹き替え | あり |
本作は、エディ・マーフィの華麗なる復活を告げた快作であると同時に、メインストリームから見向きもされなかったアウトサイダーたちの芸術への、最高に楽しくて心温まる賛歌です。
物語の主人公ルディ・レイ・ムーアは、決して才能に恵まれていたわけではありません。しかし、彼には自分を信じる心と、人々を楽しませたいという純粋な情熱、そして周囲を巻き込む不思議なカリスマ性がありました。
この映画が観る者を幸せな気持ちにさせるのは、映画作りのプロセスを、まるで素人たちが集まって文化祭の準備をするかのような、DIY精神に満ちた祝祭として描いているからです。技術も予算もないけれど、あるのは情熱とアイデアだけ。そんな彼らが、自分たちの手で、自分たちのためのエンターテイメントを創り上げていく姿は、観る者に勇気と感動を与えます。
エディ・マーフィが、下品で、尊大で、しかしどこか憎めない主人公を、愛情たっぷりに演じきっています。何かを創り出したことがあるすべての人に捧げられた、最高にゴキゲンな一作です。

クロース
郵便局長の怠惰な息子ジェスパーは、罰として、北の果てにある、いがみ合ってばかりの町スミアンズバーグに送られる。
手紙を配達するノルマを達成するため、彼は森の奥で暮らす謎めいたおもちゃ職人クロースと出会い、ある計画を思いつく。
- 手描きアニメの温かみと、最新技術が融合した、革新的で息をのむほど美しい映像表現。
- サンタクロースの起源を、ウィットと感動で再解釈した、独創的で心温まる脚本。
- アカデミー賞にもノミネートされた、大人も子供も楽しめる、新しいクリスマスの名作。
ジャンル | アニメ ファミリー コメディ |
監督 | セルジオ・パブロス |
脚本 | セルジオ・パブロス ジム・マホーニー ザック・ルイス |
出演 | ジェイソン・シュワルツマン J・K・シモンズ ラシダ・ジョーンズ ウィル・サッソー ノーム・マクドナルド |
配信 | 2019年 |
上映時間 | 98分 |
日本語吹き替え | あり |
CGアニメが全盛の現代において、本作は、伝統的な手描きアニメーションの温かみと美しさを、最新技術で見事に蘇らせた、革新的な一作です。
ディズニーの「ターザン」などを手掛けたベテランアニメーター、セルジオ・パブロス監督は、手描きのキャラクターに、独自の照明ツールでリアルな光と影、そして立体感を与えることで、まるで動く絵本のような、それでいてリッチな質感を持つ、全く新しい映像表現を生み出しました。
しかし、本作の魅力は技術だけではありません。サンタクロースの起源を、利己的な若者と、心を閉ざした老人が、ふとしたきっかけで始めた親切の連鎖として再解釈した物語は、ウィットに富み、そして驚くほど感動的です。
いがみ合っていた町の人々が、子供たちの笑顔のために、少しずつ心を開いていく様子が丁寧に描かれます。
一つの思いやりのある行いは、さらなる思いやりを生む。そんなシンプルで力強いメッセージが、美しい映像とユーモアの中に溶け込んだ、大人も子供も心から楽しめる、新しいクリスマスの傑作です。

40歳の解釈: ラダの場合
かつて期待の若手劇作家だったラダは、40歳を目前にして、今や落ちぶれて高校で演劇を教えている。
再起を懸けて、彼女は全く新しい挑戦としてラッパーのラダムス・プライムになることを決意する。
- 監督・脚本・主演ラダ・ブランクの、才能とエネルギーが爆発した、パワフルなデビュー作。
- 夢、年齢、人種、芸術といったテーマを、正直かつ痛烈なユーモアで描いた、リアルな物語。
- モノクロで撮影されたニューヨークの街並みと、ヒップホップへの愛に満ちたスタイリッシュな映像。
ジャンル | ヒューマンドラマ コメディ |
監督 | ラダ・ブランク |
脚本 | ラダ・ブランク |
出演 | ラダ・ブランク ピーター・キム オズウィン・ベンジャミン イマニ・ルイス ハスキリ・ベラスケス |
配信 | 2020年 |
上映時間 | 124分 |
日本語吹き替え | あり |
本作は、監督・脚本・主演を務めたラダ・ブランクの半自伝的な物語であり、彼女の才能とエネルギーがスクリーンからほとばしる、パワフルなデビュー作です。
全編モノクロで撮影されたニューヨークの街並みは、ウディ・アレンやスパイク・リーの初期作品を彷彿とさせ、ラダが抱える芸術家としての葛藤や、ヒップホップカルチャーへの愛情を、スタイリッシュに描き出しています。この映画が素晴らしいのは、夢を追うことの厳しさと、年齢や性別、人種によって課される社会のプレッシャーを、極めて正直で、痛烈なユーモアを交えて描いている点です。
演劇の世界では本物を求められ、ヒップホップの世界では年増と見なされる。そんな板挟みの状況で、ラダは、他人の評価に合わせるのではなく、自分自身の声で語ることの重要性に気づいていきます。
40歳を目前にした女性の、遅咲きの青春物語であり、全てのクリエイターに贈る、最高にクールで心に響く応援歌です。

PASSING -白い黒人-
1920年代のニューヨーク。黒人でありながら、肌の色が白いことから白人として生活しているクレアと、ハーレムで黒人として生きるアイリーン。
幼馴染だった二人の偶然の再会が、互いのアイデンティティと、平穏だったはずの日常を静かに揺るがしていく。
- 物語のテーマを象徴する、息をのむほど美しい「4:3」の画面比率とモノクロームの映像。
- テッサ・トンプソンとルース・ネッガによる、視線や表情だけで複雑な感情を伝える、抑制の効いた名演。
- 人種、階級、そしてアイデンティティというテーマを、芸術的かつサスペンスフルに描いた、文学的な作品。
ジャンル | ヒューマンドラマ |
監督・脚本 | レベッカ・ホール |
原作 | ネラ・ラーセン 「PASSING」 |
出演 | テッサ・トンプソン ルース・ネッガ アンドレ・ホランド ビル・キャンプ グベンガ・アキンナベ |
配信 | 2021年 |
上映時間 | 98分 |
日本語吹き替え | なし |
女優レベッカ・ホールの初監督作である本作は、そのテーマにふさわしい、完璧にコントロールされた美学で観る者を圧倒します。
物語は、正方形に近い「4:3」の画面比率と、光と影のコントラストが美しいモノクロームで撮影されています。この窮屈な画面比率は、登場人物たちが置かれた、人種や社会規範による息苦しい状況を象徴し、モノクロの映像は、白と黒という二元論では割り切れない、彼女たちの曖昧で揺れ動くアイデンティティを視覚的に表現しています。
テッサ・トンプソンとルース・ネッガの演技は、抑制が効いていながらも、その視線や僅かな表情の変化だけで、嫉妬、憧れ、恐怖、そして秘めた欲望といった複雑な感情を雄弁に物語ります。
本作は、人種というテーマを扱いながらも、声高に何かを主張するのではなく、観る者自身の心の中に、静かで、しかし消えない問いを残します。
自分は何者なのか、他者からどう見られたいのか。その普遍的な問いを、息をのむほど美しい映像の中に閉じ込めた、芸術性の高い一作です。

HUSTLE/ハッスル
NBAのチームで働くベテランスカウトのスタンリーは、キャリアの岐路に立たされていた。そんな中、彼はスペインの路上で、ダイヤの原石とも言える無名の天才バスケットボール選手ボー・クルスを発見する。
スタンリーは、全てを懸けて、ボーをNBA選手に育て上げようと奮闘する。
- アダム・サンドラーのバスケットボールへの愛が詰まった、情熱的で深みのある主演演技。
- 本物のNBA選手たちが出演する、ドキュメンタリーのような圧倒的なリアリティと迫力。
- 夢を追う若者と、彼に再起を懸ける中年男の、王道ながらも心温まる師弟の物語。
ジャンル | ヒューマンドラマ コメディ スポーツ |
監督 | ジェレマイア・ザガー |
脚本 | テイラー・マターン ウィル・フェターズ |
出演 | アダム・サンドラー クィーン・ラティファ フアンチョ・エルナンゴメス ベン・フォスター ケニー・スミス |
配信 | 2022年 |
上映時間 | 117分 |
日本語吹き替え | なし |
本作は、アダム・サンドラーが、彼自身のバスケットボールへの深い愛情を注ぎ込んで作り上げた、極めて誠実で心温まるスポーツドラマです。コメディ俳優としての彼しか知らない人は、その情熱的で、深みのある演技に驚かされることでしょう。
彼が演じるスタンリーは、単なる敏腕スカウトではなく、一度は夢に破れ、それでもなおバスケットボールを愛し続ける一人の男。その姿に、サンドラー自身のキャリアが重なって見えます。
この映画が他の多くのスポーツドラマと一線を画すのは、その圧倒的なリアリティです。現役のNBA選手であるフアンチョ・エルナンゴメスを主演に据え、その他にも数多くの本物の選手やコーチ、関係者を登場させることで、NBAの世界の厳しさや、スカウトという仕事の裏側を、まるでドキュメンタリーのように生々しく描き出しています。
夢を追う若者と、彼に最後の夢を託す中年男の間に生まれる、師弟であり、親子のような絆。王道でありながら、細部まで愛情とリアリティが宿った、スポーツ好きならずとも胸が熱くなること間違いなしの快作です。

ニモーナ
中世と未来が融合したかのような王国で、騎士バリスターは女王殺しの濡れ衣を着せられ、追われる身となる。
そんな彼の前に、変身能力を持つ、パンクでやんちゃな少女ニモーナが現れる。ニモーナは、バリスターの相棒を自称し、彼の無実を証明するため(と、大暴れするため)に協力する。
- 普通とは何かを問いかけ、自分らしくあることの尊さを描く、現代的で力強いメッセージ。
- エネルギッシュなアクション、パンクロックな世界観、そしてウィットに富んだユーモア。
- アカデミー賞ノミネート。楽しさと深いテーマ性を見事に両立させた、新しい時代のアニメーション。
ジャンル | アニメ ファミリー コメディ |
監督 | ニック・ブルーノ トロイ・クアン |
原作 | ND・スティーブンソン 「ニモーナ」 |
出演 | クロエ・グレース・モレッツ リズ・アーメッド ユージン・リー・ヤン フランセス・コンロイ ベック・ベネット |
配信 | 2023年 |
上映時間 | 102分 |
日本語吹き替え | あり |
本作は、そのパンクロックな見た目と軽快なユーモアの裏に、極めて現代的で力強いメッセージを隠し持っています。普通とは何か、モンスターとは誰が決めるのか。
社会から普通ではないと見なされ、恐れられる存在であるニモーナ。彼女の物語は、自分らしくあることの難しさと、他者からの偏見に抗うことの尊さを、鮮やかに描き出します。
特に、本作がLGBTQ+コミュニティの寓話として、多くの視聴者から深い共感を得ている点は重要です。自分の姿を自由に変えられるニモーナは、固定されたアイデンティティを拒否し、ただの私として受け入れられたいと願う。その切実な叫びは、多くの人々の心を打ちます。
エネルギッシュなアクションと、思わず笑ってしまうユーモアで観る者を惹きつけながら、クライマックスでは、自己受容と他者への愛についての、驚くほど感動的で成熟したテーマに着地します。楽しさと深さを両立させた、新しい時代のための、最高にクールなアニメーションです。

まとめ
今回は、新たな傑作との出会い!見逃し厳禁、Netflixオリジナル映画の隠れた名作10選を紹介しました。いかがでしたでしょうか?
Netflixの映画ライブラリの奥深さは、まさに宝の山のようです。誰もが知る大作だけでなく今回、紹介したような作り手の情熱と独創性が光る作品に触れることで、あなたの映画体験はさらに豊かなものになるはずです。
さあ、次なるお気に入りを探す、素晴らしい冒険に出かけましょう。
コメント