Netflixが日本のドラマ制作に本格参入して以来、私たちの視聴体験は劇的に変わりました。潤沢な予算、表現への寛容さ、そして世界190カ国以上へ配信されるグローバルな舞台。
その環境が、日本のトップクリエイターたちの眠っていた野心を呼び覚まし、地上波では決して見ることのできない、挑戦的で高品質な傑作を次々と生み出しています。
今回は、そんなNetflixが生んだメイドインジャパンのオリジナルドラマの中から、おすすめの10作品を厳選しました。
世界を熱狂させた話題作から、玄人好みの社会派ドラマまで、日本のドラマ制作の本気が光る、珠玉のラインナップを紹介します。
日本発Netflixオリジナルドラマ10本を厳選!
全裸監督
1980年代、アダルトビデオ業界に革命を起こし、時代の寵児となった監督・村西とおる。
彼の破天荒な半生と、彼を取り巻く人々の人間模様を、昭和という時代の熱気と共に、エネルギッシュかつコミカルに描き出す。
- 山田孝之のキャリアを代表する、狂気とカリスマが同居した圧巻のパフォーマンス。
- 昭和という時代の熱気と猥雑さを完璧に再現した、圧倒的なプロダクションデザイン。
- 地上波のタブーに挑戦し、日本のドラマ界に衝撃を与えた、Netflixならではの画期的な一作。
ジャンル | 伝記 社会派 ヒューマンドラマ |
原作 | 本橋信宏 「全裸監督 村西とおる伝」 |
出演 | 山田孝之 満島真之介 森田望智 恒松祐里 柄本時生 |
配信 | 2019年~2021年 |
シーズン | 2 |
各話の長さ | 44~57分 |
本作は、日本の映像業界、そしてNetflixの歴史において、一つの事件でした。昭和という時代の猥雑でエネルギッシュな空気を、驚異的な熱量とプロダクションデザインで見事に再現し、地上波では絶対に不可能なテーマと表現に真正面から挑んだのです。
その中心にいるのが、主演・山田孝之の怪演です。彼は、自信と狂気、そしてどこか憎めない人間的魅力を併せ持つ村西とおるというキャラクターに、文字通り魂を憑依させました。
しかし、本作が単なる際どい暴露話に終わらないのは、これが表現の自由を求めて、既成概念に挑み続けたアウトサイダーたちの、痛快な成り上がり物語だからです。夢を追いかける人間のどうしようもない情熱、仲間との絆、そして時代の寵児となった者の栄光と転落。
武正晴総監督による、スピーディーでユーモアに満ちた演出は、観る者を飽きさせません。Netflixが日本のクリエイターに与えた自由が、いかに素晴らしい化学反応を生むかを見せつけた、記念碑的作品です。

今際の国のアリス
無気力な青年アリスは、親友たちと共に、謎の光に包まれ、気づくと誰もいない渋谷にいた。
そこは、生き残るために命がけの「げぇむ」への参加を強制される、謎の世界である今際の国。アリスは、そこで出会ったウサギと共に、理不尽な世界からの脱出を目指す。
- 独創的で残酷、かつ知的な「げぇむ」の数々。次に何が起こるか予測不能なスリル。
- 誰もいない渋谷を再現した圧巻の映像をはじめとする、世界トップクラスのVFXと美術。
- 極限状態における人間の心理と、生きる意味を問う、深みのあるサバイバルドラマ。
ジャンル | サスペンス スリラー アクション デスゲーム |
原作 | 麻生羽呂 「今際の国のアリス」 |
出演 | 山﨑賢人 土屋太鳳 村上虹郎 森永悠希 町田啓太 |
配信 | 2020年~2022年 |
シーズン | 2 |
各話の長さ | 42~80分 |
本作を世界的なヒットに導いたのは、何よりもその独創的で残酷な「げぇむ」のデザインと、それを実現した圧巻の映像技術です。
物理的な限界に挑む肉体型、心理的な駆け引きが求められる知能型、人の心を弄ぶ心理型、そしてその全てが融合したバランス型。トランプのマークと数字で難易度とジャンルが示されるこのシステムは、観る者に知的興奮と、息が詰まるような緊張感を与えます。
特に、誰もいない渋谷のスクランブル交差点を完全再現した巨大なオープンセットや、最新のVFXを駆使したスペクタクルシーンは、日本の映像制作技術の高さを世界に示しました。
しかし、本作は単なるデスゲームではありません。極限状態に置かれた人間が、何を信じ、何のために生きるのか。その問いが、主人公アリスの成長物語を通して、力強く描かれます。
絶望的な世界の中で、他者と協力し、生きる意味を見出そうとする姿は、多くの視聴者の心を打つ世界水準のサバイバルスリラーです。

First Love 初恋
宇多田ヒカルの名曲「First Love」と「初恋」にインスパイアされた、壮大なラブストーリー。
1990年代後半から2000年代、そして現在までの20年以上にわたる時間の中で、運命に翻弄され、別々の道を歩むことになった也英と晴道。二人の忘れられない初恋の記憶が、再び交錯する。
- 宇多田ヒカルの名曲が、物語のテーマと感情を牽引する、音楽と映像の完璧な融合。
- 北海道の美しい四季を舞台に、過去と現在を行き来する、詩的でノスタルジックな映像美。
- 満島ひかりと佐藤健による、20年以上の時を経た恋の機微を表現する、繊細で深みのある演技。
ジャンル | 恋愛 ロマンス ヒューマンドラマ |
原案 | Netflix |
出演 | 満島ひかり 佐藤健 八木莉可子 木戸大聖 夏帆 |
配信 | 2022年 |
話数 | 9話 |
各話の長さ | 49~64分 |
本作の最大の魅力は、宇多田ヒカルの楽曲が、単なる背景音楽や主題歌ではなく、物語の魂として機能している点です。
90年代の也英と晴道が「First Love」を聴きながら分かち合うイヤホン、そして現代の彼らの人生に流れる初恋。これらの楽曲は、登場人物たちの言葉にならない感情を代弁し、過去と現在の記憶を繋ぐ、強力なタイムマシンの役割を果たします。
寒竹ゆり監督は、この音楽の世界観を、息をのむほど美しい映像で表現しました。北海道の壮大で美しい四季の風景、ライラックの紫、雪の青といった、印象的な色彩設計。
そして、90年代の空気感を完璧に再現した小道具やファッション。その全てが、観る者をノスタルジックで、切なく、そしてどこまでもロマンティックな世界へと誘います。
過去と現在の時間軸を巧みに行き来しながら、一つの恋の行方を壮大なスケールで描き切った、まさに記憶に残るラブストーリーの傑作です。

サンクチュアリ -聖域-
借金と家庭崩壊で、人生の崖っぷちに立たされた不良・小瀬清。彼は、大相撲の世界なら稼げるとそそのかされ、猿桜の四股名で猿将部屋に入門する。
しかし、そこは、神事としての伝統と、旧態依然とした理不尽が支配する、彼の想像を絶する聖域だった。
- ドキュメンタリーと見紛うほどの、リアルでド迫力の相撲シーン。俳優たちの肉体改造も圧巻。
- 相撲部屋という閉鎖社会の、伝統、人間関係、そして理不尽さを生々しく描いた、骨太な人間ドラマ。
- 一ノ瀬ワタル演じる、やんちゃで型破りな主人公・猿桜の、痛快で応援したくなるキャラクター造形。
ジャンル | スポーツ ヒューマンドラマ |
出演 | 一ノ瀬ワタル 染谷将太 忽那汐里 田口トモロヲ きたろう |
配信 | 2023年 |
話数 | 8話 |
各話の長さ | 32~65分 |
本作は、これまで映像化が困難とされてきた大相撲の世界を、驚異的なリアリティと熱量で描き出した、画期的なスポーツドラマです。
半年以上に及ぶ肉体改造と稽古を積んだ俳優たちがぶつかり合う取組のシーンは、ドキュメンタリーと見紛うほどの迫力。骨と肉がぶつかる鈍い音、飛び散る汗、そして力士たちの荒い息遣い。その全てが、相撲という競技の神聖さと、暴力的なまでの激しさを、観る者の五感に直接訴えかけます。
しかし、本作の真の魅力は、土俵の外で繰り広げられる、濃厚な人間ドラマにあります。才能への嫉妬、兄弟子からのいじめ、タニマチとの関係、そして部屋のおかみさんの愛。伝統としきたりに縛られた相撲部屋という、閉鎖された社会の光と影が、生々しく描き出されます。
主演の一ノ瀬ワタルが、札付きの不良から、徐々に相撲の魅力に取り憑かれていく主人公・猿桜の成長を、その全身で体現しています。これは、アンダードッグ・ストーリーでありながら、日本の国技の知られざる深淵を覗かせる、骨太な傑作です。

忍びの家 House of Ninjas
かつて、日本の歴史の裏社会で暗躍した伝説の存在、忍者。現代において、その最後の末裔である俵家は、忍びとしての務めを捨て、ごく普通の家族として暮らしていた。
しかし、国家を揺るがす大きな危機が迫る時、彼らは再び、一族の宿命と向き合うことを迫られる。
- 伝説の忍者と現代の機能不全家族という、ユニークな設定の組み合わせ。
- リアルでスピーディーな、本格的な忍者アクションと、心温まるファミリードラマの絶妙な融合。
- 主演の賀来賢人が原案から参加し、その情熱が作品全体にみなぎっている。
ジャンル | アクション ヒューマンドラマ |
原案 | 賀来賢人 村尾嘉昭 今井隆文 |
出演 | 賀来賢人 江口洋介 木村多江 高良健吾 蒔田彩珠 |
配信 | 2024年~ |
シーズン | 1 |
各話の長さ | 51~55分 |
本作の独創性は、伝説の忍者一族と現代の機能不全家族という、二つの要素を完璧に融合させた点にあります。俵家の人々は、超人的な戦闘能力を持つ一方で、それぞれが現代人らしいリアルな悩みを抱えています。
父親は、スーパーの万引きに悩み、母親は、普通の主婦であることに退屈し、長女は、恋愛と家業の間で揺れ動く。この日常的な家族ドラマのパートが、物語に温かみとユーモアを与え、キャラクターに深い共感をもたらしています。
そして、ひとたび任務が始まると、物語は一変。ハリウッドのプロダクションと日本のスタントチームが作り上げた、リアルでスピーディーな忍者アクションが炸裂します。伝統的な忍術と、現代的なパルクールや格闘術が融合した戦闘シーンは、見応え抜群です。
主演・原案を務めた賀来賢人の、この企画への並々ならぬ情熱が、画面の隅々から伝わってきます。家族の絆を取り戻す物語と、本格的な忍者アクションが、見事なバランスで共存した、新しいジャパニーズ・エンターテイメントの誕生です。

新聞記者
真実を追求するためなら、手段を選ばない東都新聞の記者・松田杏奈。
彼女が、政府の公文書改ざん問題の闇を追う中で、事件に関わらざるを得なかった官僚や、政治に無関心だった若者たちの人生が交錯していく。
- 現代日本の政治や社会が抱える問題を、エンターテイメントに昇華させた、骨太な社会派ドラマ。
- 新聞記者、官僚、そして一般の若者という、異なる視点から事件を多角的に描く、重層的な物語。
- 米倉涼子、綾野剛、横浜流星ら、豪華キャストによる、シリアスで深みのある演技の競演。
ジャンル | 社会派 サスペンス |
原作 | 望月衣塑子「新聞記者」 河村光庸 |
出演 | 米倉涼子 綾野剛 横浜流星 吉岡秀隆 寺島しのぶ |
配信 | 2022年 |
話数 | 6話 |
各話の長さ | 45~58分 |
本作は、現代日本社会が抱える問題を、フィクションの力を借りて、静かに、しかし鋭く告発する、骨太な社会派ドラマです。
映画版が、記者と官僚の対立構造を主軸に描いたのに対し、このドラマ版では、横浜流星が演じる就活生・木下亮の視点が新たに加えられています。彼の存在は、政治や社会問題に無関心な普通の若者が、いかにして国家の不正の当事者となり、その巨大な力に翻弄されていくかを、リアルな質感で描き出しています。
米倉涼子が、これまでのイメージとは異なる、信念と葛藤の間で揺れる新聞記者を、抑制の効いた演技で体現。藤井道人監督による、スタイリッシュで緊張感あふれる映像も、物語のサスペンスを高めています。
本作は、単なる政治スキャンダルの暴露話ではありません。それは、真実が歪められ、個人の尊厳が軽んじられる社会で、報道の自由とは何か、正義とは何か、そして、私たちはどう生きるべきかという、重い問いを、観る者一人ひとりに突きつける、勇気ある作品です。

火花
全く売れない若手お笑い芸人の徳永は、天才肌で、破天荒な先輩芸人・神谷と出会い、弟子入りを志願する。
お笑いの世界で、夢と現実、才能と努力の狭間でもがきながら、二人が過ごした10年間の軌跡を描く。
- Netflix日本オリジナルの礎を築いた、文学的な香りに満ちた、記念碑的傑作。
- 夢と現実の狭間でもがく、芸人たちの10年間を、ドキュメンタリーのようなリアルな質感で描く。
- 林遣都と波岡一喜による、笑いと涙、そして魂が込められた、圧巻の漫才シーン。
ジャンル | 青春 ヒューマンドラマ |
原作 | 又吉直樹 「火花」 |
出演 | 林遣都 波岡一喜 門脇麦 好井まさお 村田秀亮 |
配信 | 2016年 |
話数 | 10話 |
各話の長さ | 46~60分 |
Netflixが日本で初めて本格的に製作したオリジナルドラマであり、その後の日本のコンテンツ制作の流れを変えた、記念碑的な作品。
本作が画期的なのは、芥川賞を受賞した原作小説の、文学的な空気感と、登場人物たちの心の機微を、一切の妥協なく、映像で表現しようと試みた点にあります。
総監督の廣木隆一は、売れない芸人たちの、どうしようもない日常や、先の見えない不安感を、長回しを多用したドキュメンタリーのようなタッチで、静かに、そしてリアルに捉えます。
特に、林遣都と波岡一喜が演じる、漫才シーンの熱量は圧巻です。彼らは、プロの芸人さながらの稽古を積み、観客の前で実際に漫才を披露します。その舞台の上での輝きと、舞台を降りた後のうだつの上がらない日常との対比が、夢を追うことの切なさと尊さを、痛いほど観る者に伝えてきます。
これは、単なるお笑い芸人の物語ではありません。才能とは何か、人生とは何か、そして表現とは何か。その普遍的な問いを、静かに、しかし深く問いかける、文学的な香りに満ちた傑作です。

呪怨:呪いの家
本を代表するホラーシリーズ「呪怨」の、全ての始まりとなった呪われた家で、過去に起きた忌まわしい出来事の連鎖を、心霊研究家の小田島と、怪奇現象に悩むタレントのはるかが追っていく。
複数の時間軸が交錯し、呪いの連鎖の根源が明らかになる。
- お馴染みのJホラー表現を排し、呪いの根源にある人間の悪意そのものを描く、社会派ホラー。
- 複数の時間軸が交錯し、呪いの連鎖が明らかになっていく、巧みで不穏な物語構成。
- 三宅唱監督による、ドキュメンタリーのようなリアルな質感と、じわじわと広がる静かな恐怖演出。
ジャンル | ホラー ミステリー ドラマ |
原作 | 清水崇 「呪怨」 |
出演 | 里々佳 荒川良々 黒島結菜 ユラ・アンノ 倉科カナ |
配信 | 2020年 |
話数 | 6話 |
各話の長さ | 26~31分 |
本作は、「あ”あ”あ”あ”……」というお馴染みの怪奇音や、白い顔の少年のジャンプスケアを期待するファンを、良い意味で裏切る意欲作です。
「きみの鳥はうたえる」などで知られるインディペンデント映画の旗手・三宅唱監督は、ジャパニーズホラーの定型表現を意図的に排し、代わりに、呪いの根源にある人間の生々しい悪意に焦点を当てます。DV、育児放棄、身勝手な欲望。この物語で本当に恐ろしいのは幽霊ではなく、現実社会と地続きの、人間が人間に対して行う残虐な行為なのです。
複数の時間軸を交錯させながら、一つの家に関わった人々が、いかにして負の連鎖に取り込まれていくかを、ドキュメンタリーのような冷徹な視点で淡々と描いていきます。その静かで湿った恐怖は、一過性の驚きではなく、観終わった後もじわじわと心に広がり、日常に潜む悪意について考えさせられます。
これは、超常現象の皮を被った、極めて現実的な社会派ホラー。ジャパニーズホラーの新たな可能性を示した、問題作にして傑作です。

幽☆遊☆白書
子供を助けて死んでしまった不良少年・浦飯幽助は、霊界探偵として蘇り、人間界に害をなす妖怪たちと戦うことになる。
桑原、蔵馬、飛影といった仲間たちと共に、彼は強力な敵との戦いに身を投じていく。
- 伝説的なマンガのド派手なバトルを、ハリウッドレベルの最新VFXで再現した、圧巻の映像体験。
- キャラクターそれぞれの多彩な能力を、スタイリッシュかつ迫力満点に描き出したアクションシーン。
- 綾野剛が怪演する戸愚呂(弟)をはじめ、人気キャラクターたちの再現度の高さ。
ジャンル | バトル アクション |
原作 | 冨樫義博 「幽☆遊☆白書」 |
出演 | 北村匠海 志尊淳 本郷奏多 古川琴音 綾野剛 |
配信 | 2023年~ |
シーズン | 1 |
各話の長さ | 44~55分 |
日本のマンガ・アニメの実写化は、常に大きな期待と、それ以上の不安と共に迎えられます。しかし、本作は、Netflixの潤沢な予算と、日本トップクラスのVFXの技術力を結集させることで、その高いハードルに果敢に挑戦しました。
本作の見どころは、何と言っても、原作のファンタジックでパワフルなバトルシーンを、実写でいかに再現したか、という点にあります。幽助の「霊丸(レイガン)」、蔵馬の「風華円舞陣(フウカエンブジン)」、そして戸愚呂(弟)の筋肉操作。キャラクターそれぞれの個性的で多彩な能力が、最新のVFXによって、迫力満点に、そしてスタイリッシュに描き出されます。
特に、綾野剛が演じる戸愚呂(弟)の、CGと実写が融合した恐ろしいほどの肉体表現は、本作の技術的な到達点と言えるでしょう。原作の長大な物語を、全5話に凝縮するという大胆な構成には賛否両論ありますが、日本の実写化作品が、世界基準のスペクタクルを実現できることを証明した、意欲的な一作です。

THE DAYS
2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う、福島第一原子力発電所の事故。政府、企業、そして現場。それぞれの組織に所属する人々が、この未曾有の危機に、どのように向き合い、闘ったのか。
事故発生からの7日間を、異なる視点から克明に描き出す。
- 福島第一原発事故という、極めてセンシティブな題材に、誠実かつ冷静な視点で向き合った、勇気ある企画。
- 特定のヒーローを作らず、極限状態における組織と、そこに生きる人々の葛藤をリアルに描く。
- 役所広司をはじめとする、日本を代表するベテラン俳優陣による、重厚で説得力のあるアンサンブル。
ジャンル | ドラマ |
原案 | 門田隆将 「死の淵を見た男―吉田昌郎と福島第一原発」 |
出演 | 役所広司 竹野内豊 小日向文世 小林薫 音尾琢真 |
配信 | 2023年 |
話数 | 8話 |
各話の長さ | 47~67分 |
本作は、日本中を、そして世界を震撼させた国家的な大災害を、極めて抑制の効いた、ドキュメンタリータッチで描き出した、重厚な社会派ドラマです。
このドラマが意図的に排しているのは、特定のヒーローや、安易な感動、そして扇情的な演出です。その代わりに描かれるのは、何が起きているのか全貌が掴めない中での混乱、錯綜する情報、そして官僚的な組織の壁に阻まれながらも、必死で事態の収拾にあたろうとする、名もなき現場作業員たちの姿です。
役所広司演じる吉田所長をはじめ、登場人物たちは、決して完璧な人間ではありません。彼らは迷い、過ちを犯し、そしてプレッシャーに押しつぶされそうになります。
本作は、誰かを英雄視したり、断罪したりするのではなく、極限状態に置かれた人間たちの、ありのままの姿を記録することに徹しています。その誠実で冷静な視点が、かえってこの事故の恐ろしさと、現場で闘った人々の途方もない勇気を、観る者の胸に静かに、しかし深く刻みつけるのです。

まとめ
日本発Netflixオリジナルドラマおすすめ10選を紹介しました。いかがでしたでしょうか?
社会派ドラマから、アクション、ラブストーリー、そしてファンタジーまで。今回紹介した10本は、日本のクリエイターたちが、Netflixというグローバルな舞台を得て、いかに多様で質の高い物語を生み出せるかを見事に証明しています。
日本のドラマの今と未来を感じさせてくれるこれらの傑作を、ぜひお楽しみください。
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